二つの予防医学

カイロプラクティック&オーソモレキュラー栄養療法の臨床ブログ

SIBO

腹痛の男性

毎月、体のメンテナンスに来ているクライアントさんの息子さんが来られた。

彼は今年から大学生。

去年、受験のため、必死で勉強していたが、9月頃からお腹の調子が悪くなったらしい。

お腹が張る、便がゆるい、体中にできもの、疲れがとれないといった症状だ。

それで、医療機関で診察してもらうと、「SIBO(小腸内細菌異常増殖症)」と診断されたらしい。

SIBOとは、小腸内の栄養吸収不良から起こる症状で、小腸内の動きが悪いために、腸内細菌が過剰に増えるため、腸内環境が悪くなるものらしい。

最近よく聞く「過敏性腸症候群」の60~80%は、SIBOの疑いも視野に入れたほうが良いと言われているようだ。

しかし、SIBOに関しては、まだ定義がないようだ。

とりあえず分かっているのは、二つのタイプがあるということ。

 

●下痢型

腸内に水素ガス、短鎖脂肪酸が過剰に発生し、やせ型が多い

●便秘型

腸内にメタンガスが発生し、古い細菌が腸内に多くなり、便秘になる

これは肥満体質に多い

 

原因は、消化器系の運動機能低下、免疫力の低下、胃酸や胆汁の分泌減少、抗生物質の乱用などがあるようだ。

彼はやせ型で、ガスが臭いと聞いたので、SIBOと関連づけていいのかは分からないが、とにかく消化器系の運動機能を高め、腸内環境を整えるアドバイスをすることにした。

 

消化器系の運動機能を高めるためには、まずは頚椎(首の骨)の矯正が必須となる。

試しに、頚椎を少し触れてみるとお腹が鳴り出した。

やはり、頚椎の影響もあるようだ。

そして、カイロプラクティックの施術を開始。

すると、本人が驚くほど、お腹が鳴り出した。

そして、夕ご飯を食べてきたばかりらしいが、お腹がすいてきたみたいだ。

消化器系が動き出したのだろう。

 

彼に限らず、頚椎を矯正すると、お腹が動き出す人は非常に多い。

それだけ消化器系と頚椎は関連しているのだ。

 

カイロプラクティックの施術が終わり、色々話を聞いてると、よく間食でパンを食べるらしいが、パンを食べたあとにお腹が張ってくるらしい。

もしかしたら、グルテンに反応してのかも知れない。

それで、グルテンフリーをおすすめした。

パン、麺類など、小麦粉を使った食事をできるだけ避ける努力をするようにアドバイスをした。

その代わり、肉類、魚、豆類などの高タンパク食に加え、プロテインを飲む、ビタミンB群のサプリメントを摂るようにすすめた。

本当はもう少しサプリメントを摂ってほしいのだが、あれもこれもでは、それがストレスになるかも知れないので、必要最低のアドバイスにとどめた。

これだけでも、かなりの改善が期待できると思う。

 

グルテンは、小麦に含まれるグリアジンとグルテニンというタンパク質が結合してできるタンパク質のことで、パンや麺類を作るときに、小麦に水を加えて練るとモチモチになるが、それがグルテンだ。

グルテンは、非常に分解しにくい性質をもっており、分解されないまま腸内に滞留することで小腸粘膜上皮にとても負荷をかけてしまう。

 

また、その後の彼の体調などをご報告したいと思う。

 

2回目の施術内容