4年ほどの付き合いになる50才代のクライアントさんがいる。
当初、わたしのところに来たのは、頭痛、不眠、脇腹の痛み、左下肢のしびれで、ご主人が当オフィスのホームページを見つけてくれて連れてきてくれたのがきっかけ。
施術をするたびに不快な症状はとれていき、それ以来、1か月に1回ほど、メンテナンスに来られている。
先日、メンテナンスに来られたときに聞いた話で、以前、ダイエットしようと、炭水化物を抜いたら3kg体重が落ちて、体調も良かったらしいが、かかりつけ医のところに行って、彼女がその話をしたところ、医師から言われたのが、
「炭水化物は大事なエネルギー源だから、抜いてはダメ!」
???
まだ、そんなことを言ってる医師がいるとは!!
そして、彼女はまた炭水化物を摂りはじめ、5kg体重が増えてしまったらしい。
炭水化物とは、糖質と食物繊維でできている食材で、糖質はたしかにエネルギー源になるし、食物繊維は腸内環境を整える大事な成分。
しかし、糖質を摂らなくても、脂質、タンパク質を十分に摂っていれば、人間は十分に生命活動をすることができる。
脂質というと、悪いイメージが定着してしまっているが、実は、脂質からエネルギーを作る経路が一番効率が良い。
ただし、リノール酸の過剰摂取、トランス脂肪酸の摂取は避けるべきだが。
人間の各器官に必要とされるエネルギー源は、グルコース(ブドウ糖)、遊離脂肪酸、中性脂肪、アミノ酸、グルタミン、乳酸、ケトン体、グリセロールがあるが、グルコースのみエネルギーとして供給しないといけないのは、赤血球のみで、その他の器官はグルコース以外をエネルギーとして利用でき、その必要量もごくわずかで、タンパク質を十分に摂取しておけば、タンパク質を代謝する経路から糖質を作ることができる。
要は、糖質をエネルギー源と認識しなくても、元気な状態でいられる。
脳も、一般的にはグルコースのみをエネルギーとしていると思われているようだが、実はケトン体もエネルギーとして活用できる。
そして、ケトン体をエネルギーにするほうが、脳の働きが安定するということも分かっている。
20年前にデトックスを中心としたオーソモレキュラーの勉強をはじめたが、そのときに学んだのが、日本の栄養学は、アメリカと比較すると20年ほど遅れていると聞いた。
実際に、20年前に知った、トランス脂肪酸の問題、日本人のオメガ3系不飽和脂肪酸の摂取不足、牛乳は体に良くないという話が、ここ数年で、やや露出してきたように思う。
日本の医師も、ほんの少しだけでいいから、オーソモレキュラーを勉強してほしい。
そしたら、「牛乳は飲みなさい」「炭水化物は大事な栄養素」など、時代遅れのアドバイスを患者さんにしなくなると思う。
でも、日本でもオーソモレキュラー栄養療法を治療に役立てている医師が、全国で3,500件ほどになっているらしい。
このクライアントさんには、きちんと栄養の話をし、炭水化物は不要だということを分かってもらえた。
たぶん、彼女は、炭水化物を抜いて、減量になり、体調が良くなったのに、医師からは炭水化物を抜いてはダメ!と言われて、そこの矛盾を感じてたのだろう。
晴れた気分で帰っていった。