口が開かない、顎関節が痛いという症状で、わたしのところに来られた20才代の女性。
半年前から症状が現れ、いつも通っている歯科に相談したところ、「顎を押したら、たまに治る人がいる」っと言われて、けっこう強く顎を押さえられ、余計に顎が開かなくなり、痛みも増したらしい。
そして、わたしのオフィスに来ることに。
はじめて会ったとき、彼女の顔は右に傾いていた。
そして、彼女の髪型に注目した。
左寄りに分け目をつけていた。
昔から分け目はほぼ左寄りで、わたしのところに来る少し前に美容室に行き、25cmも髪の毛をカットしたらしい。
それまでは、胸の位置まであり、ワンレングスに近い状態だったらしい。
これでほぼ原因は分かった。
ワンレングスのように、前髪も横と同じ長さの場合、髪の毛が顔にかからないように、分け目と反対側に顔を傾けてしまう。
長期的にこのスタイルだと、顔が傾いた状態で癖づいてしまう。
顎関節は、ブランコのような状態なっているが、顔が傾くことにより、左右の顎関節の位置異常を起こす。
彼女の場合、分け目が左だったので、顔は右に傾き、顎関節は右に流れていたため、右の顎関節に支障が出ていた。
顎の動きをチェックしても、やはり右に流れる癖がついていた。
顎関節の検査をしてみたが、前後左右上下の歪みは無かった。
要は顎関節自体に何も問題は無かった。
しかし、第一頚椎、第二頚椎(頚椎=首の骨)にかなりの歪みがあった。
一回目の施術が終了し、1週間後に再度、オフィス来られたときには、口は開くようになり、痛みも80%以上改善していた。
そして、再度、顎関節の検査をしてみたが、やはり顎関節には問題はなく、ひたすら頚椎の施術に専念した。
2回目の施術後、もう痛みも無くなっていた。
顔の歪みは、それと同時に頚椎の歪みを意味する。
彼女の場合、顎関節にはまったく問題は無かったが、大抵は数か所の歪みがあることが多い。
そして、顎関節の痛み、開口困難では、共通して言えるのが、必ず頚椎にひどい歪みがあるということ。
もともと顎関節は頚椎の歪みに左右される。
顎関節だけ施術をしても意味がない。
歯科医はそれを知らなかったのだろう。
顎関節が悪くないのに、無理に押してしまったのが悪かった。
でも、早く改善して良かった。