二つの予防医学

カイロプラクティック&オーソモレキュラー栄養療法の臨床ブログ

貧血とタンパク質

貧血の画像


 当オフィスのクライアントで、看護師さんがいる。

健康診断があり、その結果、軽度の鉄貧血と診断されたようだ。

それで、日常の食生活の中で、肉や魚を多く食べるようにアドバイスし、プロテインをある量摂るようにすすめてみた。

そして、数か月後、再検査をすると、貧血が改善されていて、タンパク質の量もかなり高くなったみたいだ。

 鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄とがあり、肉や魚に含まれるものをヘム鉄、植物類に含まれるものを非ヘム鉄と理解していただければよい。

 ヘム鉄は、非ヘム鉄に比べて比較的吸収率がよく、ごく自然な経路を通って体内に入る。

 一方、非ヘム鉄は、腸管から吸収される際に、野菜などに含まれる食物繊維やコーヒー、お茶に含まれるタンニンに吸収を妨げられ、また胃壁や腸管粘膜にダメージを与えてしまうことが多いようだ。

 また、体内には3~4ℊの鉄を存在するが、そのうち65~70%は「機能鉄」と呼ばれ、ヘモグロビンの成分として取り込まれている。

 残りの30%前後の鉄は「貯蔵鉄」と言い、肝臓、骨髄、脾臓などに貯蔵され、機能鉄が不足すると、貯蔵鉄が補うしくみになっている。

 鉄は単独では毒性をもつため、通常はフェリチンというタンパク質と結合し、安定した状態で、貯蔵鉄として存在している。

 鉄は、一旦体内に取り込まれると、何度も再利用されるため、基本的には体外に排出されることはないが、女性の場合、月経時の出血で体外に出ていくため、鉄貧血に陥りやすい。

  また、妊娠や授乳期には鉄の需要が増えるため、鉄欠乏になりやすい。

 彼女の場合、動物性の食材を意識的に摂ったおかげで、ヘム鉄の摂取が増えたのでは。

鉄は、血液中に運ぶときにトランスフェリンというたんぱく質が必要になる。

そして、各臓器に鉄を貯蔵するためにはフェリチンというたんぱく質が必須となる。

プロテインを摂ることによって、この両者のタンパク合成もスムーズになったのかも知れない。