二つの予防医学

カイロプラクティック&オーソモレキュラー栄養療法の臨床ブログ

両膝の痛み

両膝の痛み

長い付き合いのクライアントさんが、先日、両膝が痛いと、来られた。

いつもは、頭痛や胃痛、背部痛を訴える彼女だが、膝痛を訴えるのは初めて。

聞くと、階段の上り下り、しゃがんで立つときに痛みが出るらしい。

知人からは、「膝サポーターをしたらいいよ」っと言われたそうだが、日頃から、むやみにサポーターを使うことは避けるようにアドバイスしていた、わたしの言葉を覚えてくれていたようで、すぐに、わたしのところに来てくれた。

片方だけの膝痛であれば、膝自体の亜脱臼、股関節の歪みから膝に負荷がかかって痛むパターン、膝を曲げるときに使う筋肉の神経伝達障害が考えられる。

しかし、両方の膝が痛むパターンの場合、そのどれも当てはまらないことが多い。

一応、膝関節、膝蓋骨、股関節、骨盤周囲、腰椎(腰の骨)を十分に検査したが、やはり、これといって膝痛の原因になる部位が見つからない。

そして、「最近、何か運動を始めた?」と聞くと、スケッチャーズというゲームを始めたらしいが、そのなかに、スクワットをする運動があるとか。

そして、膝を曲げるときに使う筋肉を軽く押してみると、激しい圧痛点がいくつも見つかった。

 

彼女曰く、「そう言えば、スケッチャーズを始めてから膝が痛くなってきたかな!」

これで、原因が分かった。

彼女の場合、急に運動を始め、日頃あまり使っていなかった膝を曲げる筋肉に、いつもと異なる負荷をかけたためだった。

そして、膝を曲げる筋肉へのアプローチを行い、両膝の痛みは解消。

 

過去にも、彼女と同じようなケースがたくさんあった。

開脚する健康器具を使って股関節を痛めたり、YouTubeで紹介していた腰痛体操をして急性腰痛を起したり、肩こり解消のための体操をして首が動かなくなり、わたしのところに来られる方がおられた。

人は、みんなそれぞれ関節の状態が異なる。

その人にとってやってはいけないことをしたときに、健康のためにしたことが、逆に致命的なトラブルを起すことがある。

開脚する運動をして股関節を痛めて来られた女性は、もともと股関節が悪かったため、健康器具が引き金になり、悪化させたようだ。

腰痛体操をして急性腰痛になった方も、過去に急性腰痛を何度か経験しており、その根本的な部位を解決しないままにしていたから、腰痛体操で再発したのだろう。

また、肩こり解消の体操で首を痛めた方も、もともと自分の頚椎(首の骨)に問題があることを知らずに、首をグルグル回す体操をしたため、首を痛めたのだろう。

 

体操、運動というのは、骨の関節が正常な位置で、正常な動きをしているときに、はじめて体に良い行為となる。

それが、骨に歪みがある状態で体操や運動をしてしまうと、体に良いどころか、生活に支障がでるような体のトラブルになることもある。

 

自分の体がどういう状態なのか、どこにどんな歪みをもつ癖があるのか、自分がやっても良いこと、やってはいけないことを把握する意味でも、カイロプラクティックのメンテナンスは重要だと思う。